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妻視点での【高次脳機能障害】の講演会

ちょっとしたご縁で、11月25日(土)に障害者福祉センターの講演会で、妻視点での「高次脳機能障害」の話をさせて頂きました。

今回の話は当事者向けではなく、当事者の家族や支えている障害者支援・福祉支援関係者の方向けの内容でした。

よって、当事者の人には辛い内容も含まれるかもしれません、というお断りを入れてお話をしてきました。


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高次脳機能障害は脳に障害を受けた人であれば誰でもなりえる障害です。


夫は20年前に発症した脳腫瘍により高次脳機能障害が残りました。

発症した20年前には高次脳機能障害の概念は一般的ではなく、知らないまま退院。

テニスも飲み会も剣道もする健康体なのに、すぐ忘れたり、会話が通じていないような、心の会話が出来ていないような、何とも言えぬ違和感の積み重なりを感じていました。


「離婚」もよぎる中、2018年に小室哲哉さんが脳梗塞で倒れたKEIKOさんについて高次脳機能障害があることや「大人の会話が出来なくなった」と説明し、ネットに出てきた情報で、うちもこれだ!と確信。


発症から15年が経過して、ようやく障害が分かりました。


最後は脳腫瘍の再発で亡くなりましたが、ずっと高次脳機能障害との闘いだったと思います。


小室さんのことは存じ上げないので、その行動については何も言いません。

ただ実際に「高次脳機能障害」はまだ認知度が低く、小室さんの会見のおかげで助けられた私がいますし、同様の事例は多かったようです。

当時の会見で、小室さんが「僕1人の言動で社会が動くとは思っていませんが、こういったことを発信することで、何かが響けばいいなと思っています。」と言われてました。

夫が他界し、今度は私が少しでも障害への理解浸透や、誰かの何かのお役に立てればと思っています。


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本人が生きていたら出来なかった話も沢山あり(笑)、でも「高次脳機能障害」を持つ方と接する方にちゃんと理解してもらいたくて、彼が亡くなったからこそ伝えられる妻視点での違和感や悩み、どのように考えを変えていったのか等をお話しました。


でも、悲壮感漂う、ではなく、淡々と起こっていたことを伝えるように意識をしていました。

(例えば、「しりとり」が出来なくて、子連れドライブ中にネタもなくて困った・・・とか(笑))


90分の講演と聞いていたので張り切って作ったスライドがなんと94枚!

障害者センターに関わりがある方向けの講座でしたので、フォントを大きくしたり、普段以上に文字化したりしたら枚数が激増。

色々思い出しながら、過去の資料をひっくり返しながら、夜な夜な泣きながら、作成しました。


ところが、当日、90分とは75分講演+15分程度と気づき(主催者のお話もありますし!)、かなり焦りながらお話をしてきました。


ただ、話す中で泣き出す方、大きく頷く方、「そういうことだったのか」と納得される表情の方もいて、彼の経験が伝わったのなら本人も嬉しかろうと思いました。


講演後のアンケート結果でも(一部省略抜粋)以下のようなコメントがあり、嬉しく思いました。

  • 共感すること学ぶことがたくさんありました。

  • 脳の手術をすると性格が変わると聞いていましたが初めて具体的にわかりました。脳障害による違和感、五感の変化 体験された人の苦労 言葉には言いあらわせません。

  • 言葉では理解しているつもりでも、気持ちや感情のレベルで「わかる」という事の難しさを感じました。

  • 私は何も分かっていなかったと思いましたが、この仕事をしているからこそ、ちゃんと周りに高次脳機能障害を伝えていきたいです。

  • 福祉関係の講演を数多く拝聴しておりますが、本講演が今年ベストでした。


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今後も、このような機会があると良いなー

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